イタリアのマンガ文化
今回は日本人があまり知らないイタリアのマンガ文化に関する話をしたいと思います。
イタリアで初めて出版されたマンガは永井豪とダイナミックプロの『グレートマジンガー(1974年)』でした。アニメはすでに人気を集めていましたが、1979年にマンガがイタリアで出版された時には、愛読する人の数は数えられるほど少なかったといいます。
一方、この名作をきっかけにマンガのマーケットが一気に広まりました。約15年後に出版された「北斗の拳」や「ドラゴンボール」などでマンガという日本の言葉がイタリア全国に知られるようになりました。
面白いことにドラゴンボールという素晴らしい一作でイタリア人のマンガへのアプローチが一気に変わりました。
イタリアを含めたヨーロッパやアメリカなどでの文章の読み方は左から右ですね。しかし、イタリア版のドラゴンボールがヨーロッパで初めて右から左に読まれるように出版された作品なのです。
イタリア人が間違って読まないように各単行本の始まりに説明ページが含まれ、さらに各ページには正しい読み方をするための矢印がついていました。
日本の皆さんにとっては当たり前の読み方でしょうが、このような歴史が欧米にはあるのです。
今はイタリアだけではなく、ほぼ全世界で日本人と同じ文字組みが採用されています。